のぼうの城 | 和田竜

沖縄の風景 はじめ

2011年01月03日 16:00

いやあ、面白い本でした。

豊臣秀吉の北条氏討伐で、
ただ一つ落城しなかった武州忍城での攻防戦がその舞台。

石田三成率いる二万以上の軍勢を相手に、
わずか三千の兵力で立ち向かった成田長親。

一か月以上に渡る攻防戦の末、
ついに忍城は落城することがなかった。

忍城方総大将の成田長親、
さぞ腕の立つ戦国武将かと思いきや....

武術はおろか馬さえ操ることができない、
いわゆる何もできない"でくのぼう"

家臣や小者はおろか、
百姓領民ですら"のぼう様"と呼び捨てにした、
でくのぼうの成田長親が、
なぜ石田三成の軍勢に立ち向かうことができたのか。

人はこのような理由で共に戦うのか、
人はこのような理由で脆くも崩れ去るのか....

いやあ、面白かったです。

のぼうの城 | 和田竜

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しかし、この成田長親という男。

最後までなんともつかみどころのない人物で、
稀代の名将か、はたまた単なる"でくのぼう"か、
ついに分からずじまいだったのですが....

そんな"でくのぼう"の成田長親が、
石田三成率いる軍勢と相見えることを決めたこの一言。

武ある者が武なき者を足蹴にし、
才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。
これが人の世か。
それが世の習いと申すなら、
このわしは許さん。


強き者が強きを呼んで果てしなく強さを増していく一方で、
弱き者は際限なく虐げられ、踏みつけにされ、
一片の誇りを持つことさえも許されない。

小才のきく者だけがくるくると回る頭でうまく立ち回り、
人がましい顔で幅をきかす。

ならば無能で人が良く、愚直だけが取り柄の者は、
踏み台になったまま死ねというのか....

しびれました....

どこぞの国の 政治家 政治屋達に聞かせてやりたい一言ですな。


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