のぼうの城 | 和田竜
いやあ、面白い本でした。
豊臣秀吉の北条氏討伐で、
ただ一つ落城しなかった武州忍城での攻防戦がその舞台。
石田三成率いる二万以上の軍勢を相手に、
わずか三千の兵力で立ち向かった成田長親。
一か月以上に渡る攻防戦の末、
ついに忍城は落城することがなかった。
忍城方総大将の成田長親、
さぞ腕の立つ戦国武将かと思いきや....
武術はおろか馬さえ操ることができない、
いわゆる何もできない"でくのぼう"
家臣や小者はおろか、
百姓領民ですら"のぼう様"と呼び捨てにした、
でくのぼうの成田長親が、
なぜ石田三成の軍勢に立ち向かうことができたのか。
人はこのような理由で共に戦うのか、
人はこのような理由で脆くも崩れ去るのか....
いやあ、面白かったです。
しかし、この成田長親という男。
最後までなんともつかみどころのない人物で、
稀代の名将か、はたまた単なる"でくのぼう"か、
ついに分からずじまいだったのですが....
そんな"でくのぼう"の成田長親が、
石田三成率いる軍勢と相見えることを決めたこの一言。
武ある者が武なき者を足蹴にし、
才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。
これが人の世か。
それが世の習いと申すなら、
このわしは許さん。
強き者が強きを呼んで果てしなく強さを増していく一方で、
弱き者は際限なく虐げられ、踏みつけにされ、
一片の誇りを持つことさえも許されない。
小才のきく者だけがくるくると回る頭でうまく立ち回り、
人がましい顔で幅をきかす。
ならば無能で人が良く、愚直だけが取り柄の者は、
踏み台になったまま死ねというのか....
しびれました....
どこぞの国の
政治家 政治屋達に聞かせてやりたい一言ですな。
「沖縄の風景」いかがでしたか? すべての出愛(出会い)に感謝です。
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