今帰仁村に行ってきたわけですが....
いかにも沖縄風な赤瓦屋根の建物が並び、
海風を防ぐためのフクギの木が生い茂る、
今帰仁村の今泊集落。
映画「カフーを待ちわびて」のロケ地となった今泊集落の、
今泊公民館のその前に、
沖縄県内最大級といわれるコバテイシの大木があります。
すこし離れた場所から見ると、
集落の雰囲気に溶け込んで目立たないのですが、
近づくとその大きさにビックリ、
さすが県内最大級といわれるだけの大木です。
今泊のコバテイシ
天然記念物 昭和31年10月19日県指定
コバテイシは、シクンシ科に属する熱帯性の高木で、葉は半落葉性で、小枝の先につき、20~30センチで大きい。果実は3~6センチで、緑色または赤味を帯び海水に浮かんで漂流します。
今泊のコバテイシは、樹高約18メートル、胸高周囲4.5メートルで推定樹齢は300~400年で地元では「フパルシ」と称えています。
本種は、幹が大きく成長し輪生している枝は水平に拡がり、樹形が美しく部落の集合場や墓地などに植えられています。特にこの地のものは、古来名木として
親泊のくふぁでさや 枝持ちの美らしさや
わやくみの妻の 身持ち美らしさや
と歌われ、以前はこの樹の下で豊年踊りや競馬が行われ、また、区民の集合の場になっていました。
沖縄県 今帰仁村
集落の年配の方に話を聞くと、
昔はこのコバテイシの大木が憩いの場になっていて、
いつも大勢の方でにぎわっていたそうです。
たしかに、この大きく広がる枝葉なら、
何人もの人がその陰でくつろげたでしょうね。
どんなに日差しが強くても、
今泊のコバテイシの枝の下にいると、
日差しがさえぎられて涼しいのです。
少し風が吹くだけで居心地が良いですよ。
字民とフパルシ
戦前は現存するフパルシの根元に接して、もう一本のフパルシがあった。その痕跡は今でも少し残っているが、大きな幹が西側に長く延びていたので、途中で「つっかい」を入れて保護していた。シマの人たちは、これを「ウー(雄)フパルシ」といい、現存するものを「ミー(雌)フパルシ」と愛称していた。
フパルシとその周辺は、シマ中の子供たちの格好な遊び場であった。彼らは「ミーフパルシ」の大きな幹に挑んで、よじ登りごっこをしたり、横に延びた「ウーフパルシ」の上を伝わり歩いてスリルを味わっていた。
夏から秋にかけて、フパルシにはたくさんの実がなった。その実は甘酸っぱい味がするし、中の種子は落花生のような香りがあるようで、子供たちは競ってその実を求めた。暴風の時には沢山の実が落ちるので、近隣の子供たちは早起きして拾いに行ったものだ。
この老大木は、わが字のどまん中に根を張り、枝を延ばし、幾世代ものシマの子供たちのよい遊び相手を勤めてきたばかりでなく、字の重要行事の舞台背景をなして、その存在を誇っていたのである。
今泊りのコバテイシは、
今も集落の人々を見守っているようでした。
今泊のコバテイシの場所はこちら
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