沖縄の風景

那覇空港から国道３３１号線を南下していくと、南部病院を越えた辺りの道の脇に糸洲の壕があります。


ウッカーガマとも呼ばれているこの場所、畑の真ん中にポツンとあるため、本当にこの場所にガマ（壕）があるのか不思議なほどです。


　糸洲の壕　－　現地の鎮魂碑より引用

　此の洞窟は第二十四師団山第二野戦病院の跡である。長野、富山、石川県出身の将兵現地防衛召集兵並に従軍看護婦積徳高等女学校看護隊が傷病兵を収容した壕跡である。

糸洲の壕は、鎮魂碑のそばにある狭い通路から入っていきます。


通路はかなり狭く、大人がぎりぎり通れるかどうかというところです。


通路を歩き、奥にある階段に近づくと....


目の前に、幅２０メートル以上はあるかと思われる、広く大きな空間が姿を現します。


畑の真ん中に、こんな広い空間があることに驚きです。奥は暗くて何も見えないのですが、川のように水が流れる音が聞こえてくるので、湧き水のようなものがあるかも知れません。

少し中に入ってみようかとも思ったのですが、何となくその気になれなかったので、この場所で引き返すことにします。


糸洲の壕の当時の様子は、生存者の証言が多く残されているそうです。

この場所で何度か米軍の攻撃を受けた後、いよいよ戦火が激しくなり、看護隊の小池隊長は学徒隊に解散を命令、ここから逃げるよう指示するのですが、その際、「決して死んではいけない、必ず家族の元に戻るように。そして、ここで起きたことを後世に伝えるように。」と話し、自らは自決したと言われています。


今は畑の真ん中にひっそりと残されている糸洲の壕。その昔、こんな悲しい出来事があったとは思えないほど、静かなところでした。



　糸洲の壕の場所はだいたいこの辺り



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